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加藤健人が全国の盲学校を巡る「カトケンプロジェクト」。第2回は故郷福島でボールを蹴るゲームと講演会

2022.12.07 活動レポート

■「カトケンプロジェクト」
■11月30日(水)
■福島県福島市・福島県立視覚支援学校

 

 「はじめなければ、はじまらない」。この言葉と自身の経験を全国の盲学校に通う生徒へ伝えるため、加藤健人(カトケン)が自ら立ち上げた「カトケンプロジェクト」。第2回目はカトケンの故郷である福島県で開催しました。

 

 1時間目は、カトケンが考案した「ブラインドキックボウリング」を実施。遊び方はボウリングとほぼ同じで、小学生は2.5メートル、中学生以上は5メートル離れた先にあるピンをめがけてブラインドサッカーのボールを蹴り、倒れたピンの本数で競い合うゲームです。生徒(プレーヤー)は視覚に障害があるため、ピンの後ろにいる仲間(晴眼者)の声を頼りにボールを蹴ります。

 

 健常者と障害者がそれぞれの個性を活かしながら楽しめるこのゲームは、正にユニバーサルスポーツであると言えます。また、生徒たちは日常生活や学校の授業で「ボールを蹴る」という動作を行なっていないそうで、学校の先生からは「初めての感覚を噛みしめている子もいました。良い刺激になっていると思います」という感想をいただきました。

 2時間目は、カトケンによる講演会の時間。カトケンは冒頭に、「皆さん、“普通の人”ってどんな人だと思いますか?」という質問を投げかけました。グループで話し合いながら導き出された答えを発表してもらうと、「自立した生活が出来る人」や、「自分のこと」など、多様な答えが返ってきました。カトケンはそれぞれが思うことなので不正解はないと前置きしつつ、「僕は目が見えなくなってしまったときに、普通の人ではなくなってしまったと落ち込みました。でも、勇気を出してブラインドサッカーの世界へ飛び込んでみたら、健常者も障害者も共に助け合うフィールドで、そこには普通とか普通じゃないとか、何かを区別するような考え方は存在しなかった。だから僕は、普通の人って存在しないのではないかと思います」という持論を話しながら、ブラインドサッカーに挑戦したことで視覚に障害のある自分を受け入れ、新たな夢を持つことが出来た、というストーリーを伝えました。

 

 校長先生からは、「中途で視力を失う葛藤を乗り越え、日本代表に選出されるまでに磨かれたテクニックと精神的な大きさに魅了されました。何事も結果だけでなく、挑戦する心と努力する過程が大切であることを学ばせていただいた。加藤選手の生き様は、後に続く後輩たちにとって、素晴らしいモデルであり開拓者のお一人と言えます」と、感想をいただきました。

 

 当日はNHKの取材があり、ウェブニュースにこの日の様子が掲載されておりますので、どうぞご覧ください。
ブラインドサッカー加藤健人選手 地元福島市の盲学校で体験会|NHK 福島県のニュース